こんにちは、テルミーてる子です。
コールセンターで、お客様からの問い合わせに対応するインバウンド業務。
きつい原因はクレームだと思っていませんか。
確かにクレーム対応は気力・体力も消耗しますが、実はきついのはクレーム対応ではありません。
そこで今回は、コールセンターで12年間働いてきた私が見てきた退職理由ベスト3をお伝えしていきます。
それでもクレーム対応が不安な方のために、入社前の不安と入社後のギャップも解説。
他、少しでも楽に働く方法も伝授していきます。
・2社のコールセンターで計12年勤務
・アウトバウンド(発信)、インバウンド(受信)、チャット
・OP、LD、SV、マネージャー経験済
・採用や面談含め、コールセンターの業務は全て経験済
・得意分野は面談
・コールセンターで働いた方々とは今も交流し、常に情報収集
この記事に書かれている内容
コールセンター | インバウンドがきつい原因はクレームではない!退職理由ベスト3
コールセンターの求人を見て応募を迷っている方の中には、
「クレームがきついんじゃないか。」
とマイナスイメージを持つ方もいるでしょう。
しかし、インバウンドのコールセンターで働く方の退職理由はクレームではないんです。
12年間働いてきた中で、数多くの退職者を見送りました。
長年管理職をしてきたので、本人から退職理由も聞いています。
中には
「他の就職先が決まった。」
という理由もありますが、
今回は「辛くて退職した。」という方々から、退職理由が多いベスト3を紹介します。
さっそく見ていきましょう。
3位・インセンティブがない(給料への不満)
2位・覚えることが多い(知識面からくる不安)
1位・上司との人間関係・会社の体制への不満
そう、
実は退職理由って他の会社とあまり変わらないんですよね。
それでは3位から順番に解説していきます。
3位・インセンティブがない(給料への不満)
アウトバウンドでは、契約に繋がると1件あたり〇〇円とインセンティブがもらえることが多いです。
しかし、インバウンドの場合はそういった頑張りに対する報奨制度が設けられていないことが多く、給料に対して不満を持つ場合もあります。
一気に給料が上がるということは中々ありません。
給料が上がる期待が持てないまま働いているうちに、転職など他の可能性も視野に入れ探し始める
↓
退職
という方が多かったです。
それから他のコールセンターの求人に記載されている待遇と比較して、
「給料が低い」と嘆く方も。
しかし、一般的に給料が高ければ高いほど辛いことが多く、離職率も高いと言われています。
実際に給料が高いコールセンターに転職し、
「失敗した!」
と嘆く方も見てきました。
給料に対する不満が募る中、
昨今の情勢や求人の応募をしても中々応募者が集まらない場合、突然時給が上がることもあります。
新人さんよりも給料が低くなる現象を避けるためですね。
とは言え、こういったラッキーなことは稀なので、インバウンドは給料が上がりにくいということを念頭に応募するのがおすすめです。
コールセンターの時給が高い理由についての詳しい記事もあるので参考にしてみてください。
参考ブラックだから?コールセンターの時給はなぜ高い?時給だけで選んだらダメですか?
続きを見る
2位・覚えることが多い(知識面からくる不安)
お客様からのあらゆる問い合わせに対して適切な回答を求められるのがインバウンド。
入社後は研修を通じて会社の商品や仕組み、サービス内容を学んでいくわけですが、覚えるボリュームは多いです。
新人さんの退職理由で多いのが、
「こんなに覚えることが多いとは思っていませんでした。
やっていける自信がありません。」
という自信喪失。
何とかマニュアルを通じた研修を乗り越えても、次に待ち受けるのは実践。
厄介なのが
「覚えた内容をスラスラ答えて終話」という問い合わせは稀だということ。
マニュアルから応用したり、組み合わせなければならない内容の問い合わせが多いです。
まだマニュアルを覚えきっていない中、実践で電話に出ると難しいことを聞かれる。
いつ
「そんなことも分からないのか!」
と怒られるかヒヤヒヤ。
実践で自信喪失し、退職する新人さんも多かったです。
しかし、どの仕事にも当てはまりますが、仕事を始めたばかりの頃は覚えることも多く大変。
それにコールセンターの場合は1人で入社ということは少なく、まとまった人数で入社することも多いです。
同期の仲間と支え合いながら乗り越えていけるはず。
私も同期と助け合いながら辛い新人時代を乗り越えました。
初めのうちは覚えることが多くて大変ですが、ある程度仕事を覚えると徐々に楽になってきます。
これも身をもって実証済なので、はじめは辛くても諦めずに続けてみてください。
1位・上司との人間関係・会社の体制への不満
これはどの職場にも「あるある」なことではないでしょうか。
辛い・きついと言われるコールセンターで12年やってきた私が出した結論は、
仕事内容が辛くても、人間関係が良ければやっていける
です。
反対に、どんなに楽な仕事だったとしても人間関係で悩むと退職まっしぐら。
それだけ人間関係や働きやすさは大事。
私も2社目で働いた10年間の中には合わない上司がいて、退職を考えるほど辛い時期がありました。
当時は同期や他の先輩に励まされながらなんとかやってこれましたが、
その上司が転勤しなかったら、もっと早く退職していました。
重度のクレーム対応よりも何よりも、上司とのやり取りが苦痛だったので、
上司が転勤でいなくなった後の仕事は天国のようでした。
私の場合は退職せずに踏みとどまりましたが、人間関係や会社への不満で辞める方が圧倒的に多かったです。
これを読んでいる方の中には、
「嫌な上司がいたらどうしよう。」
と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、
私の経験上、嫌な上司がいたとしてもその方が長く働き続けるとは限りません。
コールセンターは離職率が高く、転勤や異動以外に退職で離れる方も多かったです。
嫌だ嫌だと悩んでいるうちに、その方が辞めちゃったというパターンも多いです。
少しの我慢で良い方向へ向かうこともあるでしょう。
例えば、スマホ持ち込み禁止などですね。
コールセンターは個人情報を取り扱います。
個人情報漏洩を防ぐため、業務室へのスマホ持ち込みを禁止している会社がほとんど。
そのようなルールに不満を持つ方も多かったです。
その他、私が部下との面談で言われた不満の中には、
・入電数が多くて疲れる
・同じ問い合わせばかりで飽きる
というのもありましたが、退職の直接的な原因にはなっていません。
それではインバウンドで心配しているクレーム対応は、実際のところどうなのでしょうか。
クレームについては次章で詳しく説明しますね。
「そもそもコールセンターとは?」
と思った方はこちらの記事をご覧ください。
参考今さら聞けないコールセンターとは?仕事は簡単?クレームや残業は?
続きを見る
クレーム対応はきつくないの?
退職理由のベスト3にクレームは入ってこないことは前章で説明しました。
ではクレーム対応ってきつくないのでしょうか。
結論、
クレーム対応は確かにきついです。
インバウンドのコールセンターで働く方のほとんどが、
「クレームの電話が来ませんように。」
と願いながら電話を受けています。
直接の退職理由にはならないものの、クレームが発生してしまうとマイナスの感情になってしまうもの。
クレーム対応では理不尽なことを言われる場合も多々あります。
私自身も
「クレーム怖い。
クレーム受けたらどうしよう。」
と怯えながら入社しました。
ところが、いざクレーム対応をしてみると
「こんなもんか」と思えてきたのです。
確かにクレーム対応をするのは嫌ですが、周りの同僚や先輩もクレーム対応は経験済。
「自分ひとりじゃない」
と思うことで、気持ちが楽になります。
どちらかと言うと、クレーム対応よりも
上司のフォローが酷かった
などの理由でダメージを負うことが多いです。
例えば、
・クレーム対応中に助けを求めたが、上司がフォローしてくれない
・「上司に代われ」と言われているのに代わってくれなかった
・上司に言われた通り案内したのに、さらに炎上した
・やっとクレーム対応が終わったのに、上司からダメ出しされた
など。
クレームよりも上司への不信感から人間関係に悩まされ、退職に発展していくケースが多かったです。
反対に、
人間関係や職場環境が快適だと励まし合う相乗効果が生まれ、クレームは乗り越えられます。
よく「コールセンターのバイトはやめとけ」と言われますが、中にはブラックなコールセンターもあります。
詳しくはこちらに書いています。
こちらもCHECK
「コールセンターのバイトはやめとけ」って言われるけど本当?見極め方も解説
続きを見る
インバウンドで働くメリット
ここまで、退職理由などマイナス面を書いてきましたが、インバウンドで働くメリットもあります。
それがこちら。
インバウンドで働くメリット
- ノルマがない
- コミュニケーションスキルが身につく
メリットの数が少ないように感じるかもしれませんね。
しかし今紹介したのは、あくまでもインバウンドでのメリット。
他にもコールセンターで働くメリットはたくさんあります。
詳しくはこちらをご覧ください。
参考ぶっちゃけコールセンターのバイトってどんな感じ?12年働いてきた正直な視点
続きを見る
それではインバウンドならではのメリットを解説していきます。
ノルマがない
アウトバウンド業務では、
「目標を達成しないとクビ」
といったノルマがある会社が多いです。
私が働いていたアウトバウンドの会社も
1カ月で契約2本取れなかったらクビ
というルールがありました。
その点インバウンドでは、お客様からの問い合わせに答えるのが仕事。
ノルマなどはありません。
「契約取れなかったらクビになっちゃう。
今月まだ契約取れてない。
ヤバい、どうしよう。」
と焦ることなくノビノビ仕事ができるのはインバウンドならではのメリットです。
コミュニケーションスキルが身につく
アウトバウンドでもコミュニケーションスキルは身につきますが、どちらかと言うとアウトバウンドで身につくのは営業トーク力。
インバウンドでは、
・正しい敬語
・お客様の要望をくみ取る力
・お怒りの気持ち、お困りの気持ちに寄り添って気持ちを和らげる共感力
・話を聞いて安心させる傾聴力
・適切な相槌
・適切な案内
などが身につきます。
数多くのお客様対応をしていくうちに身につくこともあれば、上司からのアドバイスで身につくことも。
コールセンターで得たコミュニケーションスキルは、どこで働いても役に立つ便利なスキル。
実際に私もコールセンターで働いてから、人との接し方が良い意味で変わりました。
コールセンターで働く前は、自分ではそんなつもりがなくても言葉の選択を間違えて言い方がきつくなってしまうことがありました。
しかし、共感や傾聴をしてから自分の言葉を発するようになったので、落ち着いて言葉選びができるように。
正しい敬語も身につくので、よくある間違えた敬語も使わなくなり、成長もできます。
育成に携わってきた私から見たコールセンターが不向きな人の特徴をまとめた記事があるので、
「自分はコールセンター向いてないかも」
と思う方は参考にしてみてください。
参考コールセンターが不向きな人の特徴3選!どうしても改善困難だった事例
続きを見る
インバウンドを少しでも楽にするために
退職の直接的な原因にならないとしても、インバウンドの仕事にきつさを感じることも多々あります。
この章では、インバウンドを少しでも楽にするコツを紹介しますね。
それがこちら。
インバウンドを少しでも楽にするコツ
- クレーム対応で落ち込まない・気持ちを切り替える
- ためこまない
- 上司を頼る
- 商品やサービスなどの知識は早めにインプットしておく
- 言葉の言い回しや共感力を身に付ける
順番に見ていきましょう。
クレーム対応で落ち込まない・気持ちを切り替える
クレーム対応でいくら上司が助けてくれたとしても、お客様からマイナスの言葉を言われるのは嫌ですよね。
しかし、対応が終わっても引きずらないようにしましょう。
わかります。
はじめのうちは中々難しいかもしれません。
あなたが発した失礼な一言などが原因で怒らせてしまったのであれば、
次に同じことを言わないように対策をすることも必要です。
しかし、あなたに非はなく、会社の方針上どうにもできずクレームに発展することも多々あります。
そんなクレーム対応の後は、次のようなことを試してみてください。
・飲み物を飲んで意識をクレームから逸らす
・楽しいことを考える
・夜ご飯の献立を考える
・周りに座っている同僚や、上司に吐き出す
・「命取られるわけではないし」と開き直るようにする
・今クレーム受けたから、今日はもうクレームは来ないだろうと思うようにする
・お菓子など、頑張った自分のご褒美を考える
そう、
とにかく自分を甘やかしてあげましょう。
コールセンターあるあるですが、
どういうわけかクレームを引きずったまま次のお問い合わせに対応すると、全く異なるお客様にもかかわらず、
最初から怒っている or クレーム対応に発展することがあります。
それに人数が多い会社なら、一度に複数名がクレーム対応していることも。
あなただけではないと思うと少し気が楽になります。
それでも気が晴れないなら、対面での接客で怒られることを想像してみてください。
対面で怒られるよりはマシではないでしょうか。
インバウンドのクレーム対応は、お客様の顔を見なくてもいいし、唾が飛んでくることもありません。
どんなにひどいことを言われても、電話が終わればそのお客様との関係も終わるのがインバウンドの良いところ。
謝罪に行かなくてもいいんです。
クレームで理不尽なことを言われたとしても、それはあなたに向けて言っているわけではなく、
あなたを通して会社の体制や商品・サービスに対して言っているのです。
それなのにあなたが落ち込むのはもったいないです。
そして、怒っていたお客様が最終的にあなたの言葉で納得して終話したら、自分を思いっきり褒めてください。
私がクレーム対応していたときは、
「怖い」「イヤだ」
という感情よりも、
・「どう話をもっていったらお客様に納得していただけるか。」
・「妥協点はないか。」
・「どう提案したら円満になるか。」
と脳をフル回転させて考えていました。
それが失敗したとしても、
仕方ないよね、次頑張ろう。
と気持ちを切り替えていました。
納得いただけたら、あなたのスキルが向上している証です。
ためこまない
今説明したことと似ていますが、ためこまないのも重要です。
気持ちを切り替えるよう努力したけど、やっぱりまだ引っかかる場合は、ストレス発散しましょう。
帰宅後は趣味に没頭する、カラオケやゲームをする、同僚を誘って飲みに行く・・・など。
ストレスをためこむことで、心身に不調が出てきます。
コールセンターあるあるを辛口仕立てでまとめた記事もあります。
ストレス発散にもなるので、ぜひご覧ください。
こちらもCHECK
コールセンターあるあるを辛口で紹介!オペレーター・管理者それぞれ解説
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上司を頼る
インバウンド業務での強い味方となってくれるのが良い上司の存在。
言葉は悪いですが、上司を利用するくらいで大丈夫です。
クレーム対応の最中でも、終わった後に吐き出す存在としても、頼れる上司を見つけて頼ってくださいね。
商品やサービスなどの知識は早めにインプットしておく
聞かれたことにスラスラ答えられると、精神的にも実際の電話対応でも楽になります。
なぜなら、
「そんなこともわからないの!?」
「もうあなたじゃ話にならない。わかる人に代わって?」
というクレームを防ぐことができるからです。
新人で知識がおぼつかなかった頃は
「わからないことを聞かれたらどうしよう。」
と不安でした。
毎回電話が鳴るのが怖かったです。
実は新人だった頃、他の同期よりも覚えるのが遅かった私。
少しでもスラスラ答えられるようにするため、電話が鳴っていない間の同僚とのおしゃべりを我慢し、ひたすらマニュアルを読んで自己学習をしていました。
誰にも相談せずに回答できる案件が増えた頃、ようやく楽になっていったのです。
言葉の言い回しや共感力を身に付ける
不必要なクレームを避けるため、言葉の言い回しや共感力を身に付けるのはとても重要です。
お客様の要望に会社として応えられないときに、
「できません。」
の一言で返してしまうと、
お客様は「頭ごなしに否定された。」と感じクレームに繋がることも。
「申し訳ございません。あいにく〇〇の理由から、△△(お客様の要望)についてはできかねます。」
など、謝罪+できない理由を伝えることでクレームに発展する率はグッと下がります。
こういった謝罪の言い回しや、感謝を言われる言い回しなどを覚えておくと電話対応のスキルもUP。
また、お客様の不安や悩みに対して、
「それはご心配でしたね。」
「ご安心ください。」
などの共感の言葉を添えると、信頼してもらえます。
それでもどうしても「もう無理!退職したい!」と考えている方の中には退職後の生活に不安を抱いている方もいるのではないでしょうか。
退職を考えている方は、下の記事も参考にしてみてくださいね。
参考コールセンターを辞めたい方向け!退職後のお金、心配しなくて済むかも!?
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まとめ
インバウンドがきついと言われる原因がクレームではないことがわかりましたね。
退職理由のベスト3はこちら。
3位・インセンティブがない(給料への不満)
2位・覚えることが多い(知識面からくる不安)
1位・上司との人間関係・会社の体制への不満
他の会社と変わらないんです。
クレーム対応も確かにきついですが、クレーム対応自体よりも、
フォローしてくれる上司の態度にストレスを感じることが多いです。
しかし悪いことばかりではありません。
インバウンドには、
インバウンドで働くメリット
- ノルマがない
- コミュニケーションスキルが身につく
といったメリットも。
少しでもインバウンド業務を楽にするためには次のようなコツがあります。
インバウンドを少しでも楽にするコツ
- クレーム対応で落ち込まない・気持ちを切り替える
- ためこまない
- 上司を頼る
- 商品やサービスなどの知識は早めにインプットしておく
- 言葉の言い回しや共感力を身に付ける
これを読んで今後働くうえでの参考になれば幸いです。
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▼読んでくださってありがとうございます